当ブログは株式会社トミーウォーカーの運営する『サイキックアーツ』の参加キャラによるブログです。
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「親父の知り合いか?」
こういう場面に遭遇するのは実は初めてでもない。
海外に居た頃は、父に何かしらの因縁を持つ者が復讐しようと自らを狙ってきた事も何度かあった。
『オレの望みの為、お前を利用させてもらうぞ・・・!』
殺気が膨れ上がる。この1年、日本などでは目にしようもなかった程の本気の殺意。
男の姿が一瞬で掻き消える。
「!」
反応出来たのは奇跡に近い。
低く、前に投げ出された体。その一瞬前まで首のあった場所を背後から手刀が通り過ぎた。
『・・・ほぅ』
転がりながら距離を取り、すぐさまに立ち上がる。
「テメェ・・・一体何モンだ!」
こういう場面に遭遇するのは実は初めてでもない。
海外に居た頃は、父に何かしらの因縁を持つ者が復讐しようと自らを狙ってきた事も何度かあった。
『オレの望みの為、お前を利用させてもらうぞ・・・!』
殺気が膨れ上がる。この1年、日本などでは目にしようもなかった程の本気の殺意。
男の姿が一瞬で掻き消える。
「!」
反応出来たのは奇跡に近い。
低く、前に投げ出された体。その一瞬前まで首のあった場所を背後から手刀が通り過ぎた。
『・・・ほぅ』
転がりながら距離を取り、すぐさまに立ち上がる。
「テメェ・・・一体何モンだ!」
見た目は二十代だろうか。
自分よりは確実に上だろうが、真正面から改めて見据えるその外見は若い。
『オレはアンブレイカブル、武の高みを目指す者よ』
「アンブレイカブル・・・?」
聞き覚えのない言葉に、反芻しつつも首を捻る。
『お前の父こそ強き者と聞いたが、同時に神出鬼没。故に、お前をエサとして使わせてもらう』
「何だと・・・」
『だがその前に』
空いた間合いが再び一瞬にして零となる。
『お前の強さも見せてもらおう!』
「ッ!」
振り下ろされる右拳を左手で弾くようにいなしながら懐へと潜り込む。
同時に右足で踏み込めば肩から当身を食らわせ、更に左足を続けて踏み込み掌打を相手の腹部へと見舞う。
だがそれでも吹き飛び方はまるで軽微。
僅かばかりに後方へ飛ぶが、足で耐えられれば倒れもしない。
「クソッタレ、完全なカウンターを・・・!」
『フゥゥ・・・いいぞ、お前の強さも悪くはない。だが所詮一般人の域だな』
「何ィ!?」
再度詰まる間合い。
振り上げられた拳に対し、今度は振り下ろされる前にと右の裏拳を放つ。
だが、それは敢え無く空を薙いだ。
「がッ・・・!」
瞬間、下腹部を襲う衝撃に目を見開く。
相手は振り上げた拳をフェイクとし一瞬にして体を沈め、曲げこんだ足を伸ばして蹴りを見舞っていた。
そのまま、勢いを殺す余裕もなく派手に吹き飛ぶ。
先の相手の間合いの詰め様、その動きも含めてとても人間の動きとは思えなかった。
これではまるで漫画やゲームの中のようだ、と他人事のように感じたのも束の間。
地面に叩きつけられれば、圧迫された肺により呼気が吐き出される。
血も混じっているのは、蹴られた時にどこかやられたのだろうか。蹴られた瞬間の痛みが続いているのか、どうなのかが分からない。
「う、ぐ・・・」
『やはり弱い!この程度で倒れられては、相手にもならんわ』
一歩ずつ近寄ってくる足音がする。
立ち上がらなければ。逃げるにしても立ち向かうにしても、倒れたままでは何も出来ない。
だがまさか、まさか自分がたった一撃でこれ程までに追い詰められた事などあっただろうか。
自分が誰よりも強いなどと自惚れた事はない。
それでも、小さい頃から父に叩き込まれて唯一自分が過酷な環境下でも生き残ってきた術だ。
『お前の父も、まさかこの程度か?』
「――・・・何?」
思考はそこで止まる。
今、この男は何と言った?
『お前の闘い方、全くの素人ではあるまい。かといって型に則ったものでもない。身近な修練者に教えこまれたと考えるが自然。そうなれば当然、噂に聞くお前の父が一番に浮かぶところだが・・・』
足音が目の前で止まる。
『教え込まれたお前がこの程度であるならば、父もたかが知れよう』
親父が、お前よりも弱いと?
頭が沸騰する。
痛みが遠のいていく。
確かに手解きは、目の前に居る男の言う通り父に教えこまれたものだ。
それでいて、父の本気の強さなどまともに目にした事は一度もない。
だが、それでも教えられた中で分かる。そして目の前の男と拳を交えたからこそ分かる。
「・・・ざけんな」
『何?』
体を起こす。痛みもなく体が軽くなっていく。
その代わり、手や腕のあたりから黒い煙のようなものが出ているが何だろう。
いや、考えるのは後にしよう。今はそんな事は“些細な事”だ。
今は、
『お前は・・・!』
「テメェ程度に引けを取るほど、親父は弱くねぇ。――無論、」
踏み込む。
地面に軽くヒビが入るが気にしない。
棒立ちになっている相手の懐へ、渾身の正拳突きを放つ。
『お、オォオオオオオ・・・!?』
「俺も、テメェ程度に軽く捻られてやる程弱くねぇッ」
相手が先の自分のように吹き飛ぶ。
そうだ、目の前の相手を倒す。
己の力で。己の全力で。この力で、“誰よりも強く”
黒き煙が濃度を増すように体を包む。
『そうか、お前も同胞の――』
「もう黙れ」
吹き飛ばした距離が一瞬で縮まる。
そのまま、今度は顔面を殴り飛ばした。
『ふ、く、ククククク・・・』
「!?」
再度吹き飛んだ相手が、起き上がりつつも堪えきれぬように笑い声を上げる。
『いいぞ、これは予想外だったがお前も“そう”ならば・・・殺すのは惜しいがそれもまたオレの為。本気でやらせてもらおう・・・――リミッター、解除』
黒い、自らと同じような煙が相手の体を包み始める。
同時に、先までとは圧倒的に違う殺意が放たれた。
「くっ・・・!」
今の自分でも気圧される。気付けば後退りかけている足を踏ん張り、構えを取った。
『行くぞォ!』
速さすら、目で追いきれない。
最早勘に近い、殺意の残る方へと蹴りを放つ。
『残念、ハズレだ』
「!」
声は後ろから。
そのまま、後ろ手に肘鉄を放とうとするが逆にその手を取られ背負い投げのように投げられる。
取られた腕の肘の辺りから、嫌な音が響いた。
更に、叩き付けられた衝撃で肺の空気が押し出され、声を上げる事すらままならない。
「く、う・・・!」
『立ち上がれぬならば手伝ってやろうか』
手を掴まれ強引に上へと引っ張られれば、体が強制的に持ち上がる。
『先ほどまでの威勢はどこにいったァ!』
ぱっ、と掴んでいた手を離されれば、体が崩れ落ちる前に回し蹴りが胸部を強く弾き飛ばす。
そのまま近くにあった家の塀へ背中から突っ込めば衝撃でコンクリートで出来た塀がいとも容易く崩れ落ちた。
「ぐ」
不思議と、塀へと当たった時のダメージはほとんどない。
それよりも圧倒的に、投げられた時と今の蹴り飛ばされた際のダメージが体に強く残っている。
体に力が入らない。
『ふふん、所詮目覚めたばかりではその程度か・・・まぁ良い』
目の前に立つ男が拳を振り上げれば、それが鳩尾に落ちる。
「がああ・・・!」
『オレを本気にさせたのだ。ただでは帰せん』
再度拳が落ちる。
「ぎゃあああッ!」
『死体でも良かろう、お前の父をおびき出すエサとするにはな』
三度、拳が振りあがる。
最早、意識は朦朧とし痛みすら麻痺しかけてきていた。
(や、べぇ・・・このまま、じゃ・・・)
嬲り殺される。
だが、体はピクリとも動かない。
『前座としては悪くなかったぞ』
振り下ろされる拳。
無念とばかりに目を閉じる。
だが、くるべきはずの衝撃は何時までも訪れない。
もう痛みがくる前に命が尽きたのだろうか。
恐る恐る目を、開く。
そこには、男と自分の間に立ちはだかるように此方に背を向けて立つ姿。
『お前は・・・!?』
「俺を探していたのだろう?これ以上、息子を嬲られても堪らんのでな。出向いてきてやったぞ」
「おや、じ・・・?」
それは紛れもなく父の声、父の姿。
口から漏れた呟きに、父が顔だけ振り返る。
「気をつけて行って来いと言っただろう?・・・だが、よく持ち堪えた。もう大丈夫だ」
『そうか、お前が佐藤大輔か!探したぞ、“天虎鋼拳”の名を持つ者よ!』
「フン、貴様がどこでどうして俺を知ったのか知らんが・・・随分なマネをしてくれたものだ」
本来自分に当てるはずだった拳は、父の手が掴み遮っている。
だが、それを相手の男は引こうとしない。
いや、引けないでいる。父が離さない為に。
「この代償、高くつくぞッ!」
一瞬にして膨れ上がる殺気。
瞬間痛みすら忘れるほどに畏怖する、その殺意は相手の男すら――。
轟音。
相手の男が吹き飛び、塀を削り飛ばしながら道の向こう側へ倒れる。
「この程度で終わってくれるなよ・・・大事な息子をいたぶってくれた礼は、こんなものでは済まさんからなッ!」
そこには、初めて目にする本気の怒りを見せる父の姿があった。
―To Be continude
自分よりは確実に上だろうが、真正面から改めて見据えるその外見は若い。
『オレはアンブレイカブル、武の高みを目指す者よ』
「アンブレイカブル・・・?」
聞き覚えのない言葉に、反芻しつつも首を捻る。
『お前の父こそ強き者と聞いたが、同時に神出鬼没。故に、お前をエサとして使わせてもらう』
「何だと・・・」
『だがその前に』
空いた間合いが再び一瞬にして零となる。
『お前の強さも見せてもらおう!』
「ッ!」
振り下ろされる右拳を左手で弾くようにいなしながら懐へと潜り込む。
同時に右足で踏み込めば肩から当身を食らわせ、更に左足を続けて踏み込み掌打を相手の腹部へと見舞う。
だがそれでも吹き飛び方はまるで軽微。
僅かばかりに後方へ飛ぶが、足で耐えられれば倒れもしない。
「クソッタレ、完全なカウンターを・・・!」
『フゥゥ・・・いいぞ、お前の強さも悪くはない。だが所詮一般人の域だな』
「何ィ!?」
再度詰まる間合い。
振り上げられた拳に対し、今度は振り下ろされる前にと右の裏拳を放つ。
だが、それは敢え無く空を薙いだ。
「がッ・・・!」
瞬間、下腹部を襲う衝撃に目を見開く。
相手は振り上げた拳をフェイクとし一瞬にして体を沈め、曲げこんだ足を伸ばして蹴りを見舞っていた。
そのまま、勢いを殺す余裕もなく派手に吹き飛ぶ。
先の相手の間合いの詰め様、その動きも含めてとても人間の動きとは思えなかった。
これではまるで漫画やゲームの中のようだ、と他人事のように感じたのも束の間。
地面に叩きつけられれば、圧迫された肺により呼気が吐き出される。
血も混じっているのは、蹴られた時にどこかやられたのだろうか。蹴られた瞬間の痛みが続いているのか、どうなのかが分からない。
「う、ぐ・・・」
『やはり弱い!この程度で倒れられては、相手にもならんわ』
一歩ずつ近寄ってくる足音がする。
立ち上がらなければ。逃げるにしても立ち向かうにしても、倒れたままでは何も出来ない。
だがまさか、まさか自分がたった一撃でこれ程までに追い詰められた事などあっただろうか。
自分が誰よりも強いなどと自惚れた事はない。
それでも、小さい頃から父に叩き込まれて唯一自分が過酷な環境下でも生き残ってきた術だ。
『お前の父も、まさかこの程度か?』
「――・・・何?」
思考はそこで止まる。
今、この男は何と言った?
『お前の闘い方、全くの素人ではあるまい。かといって型に則ったものでもない。身近な修練者に教えこまれたと考えるが自然。そうなれば当然、噂に聞くお前の父が一番に浮かぶところだが・・・』
足音が目の前で止まる。
『教え込まれたお前がこの程度であるならば、父もたかが知れよう』
親父が、お前よりも弱いと?
頭が沸騰する。
痛みが遠のいていく。
確かに手解きは、目の前に居る男の言う通り父に教えこまれたものだ。
それでいて、父の本気の強さなどまともに目にした事は一度もない。
だが、それでも教えられた中で分かる。そして目の前の男と拳を交えたからこそ分かる。
「・・・ざけんな」
『何?』
体を起こす。痛みもなく体が軽くなっていく。
その代わり、手や腕のあたりから黒い煙のようなものが出ているが何だろう。
いや、考えるのは後にしよう。今はそんな事は“些細な事”だ。
今は、
『お前は・・・!』
「テメェ程度に引けを取るほど、親父は弱くねぇ。――無論、」
踏み込む。
地面に軽くヒビが入るが気にしない。
棒立ちになっている相手の懐へ、渾身の正拳突きを放つ。
『お、オォオオオオオ・・・!?』
「俺も、テメェ程度に軽く捻られてやる程弱くねぇッ」
相手が先の自分のように吹き飛ぶ。
そうだ、目の前の相手を倒す。
己の力で。己の全力で。この力で、“誰よりも強く”
黒き煙が濃度を増すように体を包む。
『そうか、お前も同胞の――』
「もう黙れ」
吹き飛ばした距離が一瞬で縮まる。
そのまま、今度は顔面を殴り飛ばした。
『ふ、く、ククククク・・・』
「!?」
再度吹き飛んだ相手が、起き上がりつつも堪えきれぬように笑い声を上げる。
『いいぞ、これは予想外だったがお前も“そう”ならば・・・殺すのは惜しいがそれもまたオレの為。本気でやらせてもらおう・・・――リミッター、解除』
黒い、自らと同じような煙が相手の体を包み始める。
同時に、先までとは圧倒的に違う殺意が放たれた。
「くっ・・・!」
今の自分でも気圧される。気付けば後退りかけている足を踏ん張り、構えを取った。
『行くぞォ!』
速さすら、目で追いきれない。
最早勘に近い、殺意の残る方へと蹴りを放つ。
『残念、ハズレだ』
「!」
声は後ろから。
そのまま、後ろ手に肘鉄を放とうとするが逆にその手を取られ背負い投げのように投げられる。
取られた腕の肘の辺りから、嫌な音が響いた。
更に、叩き付けられた衝撃で肺の空気が押し出され、声を上げる事すらままならない。
「く、う・・・!」
『立ち上がれぬならば手伝ってやろうか』
手を掴まれ強引に上へと引っ張られれば、体が強制的に持ち上がる。
『先ほどまでの威勢はどこにいったァ!』
ぱっ、と掴んでいた手を離されれば、体が崩れ落ちる前に回し蹴りが胸部を強く弾き飛ばす。
そのまま近くにあった家の塀へ背中から突っ込めば衝撃でコンクリートで出来た塀がいとも容易く崩れ落ちた。
「ぐ」
不思議と、塀へと当たった時のダメージはほとんどない。
それよりも圧倒的に、投げられた時と今の蹴り飛ばされた際のダメージが体に強く残っている。
体に力が入らない。
『ふふん、所詮目覚めたばかりではその程度か・・・まぁ良い』
目の前に立つ男が拳を振り上げれば、それが鳩尾に落ちる。
「がああ・・・!」
『オレを本気にさせたのだ。ただでは帰せん』
再度拳が落ちる。
「ぎゃあああッ!」
『死体でも良かろう、お前の父をおびき出すエサとするにはな』
三度、拳が振りあがる。
最早、意識は朦朧とし痛みすら麻痺しかけてきていた。
(や、べぇ・・・このまま、じゃ・・・)
嬲り殺される。
だが、体はピクリとも動かない。
『前座としては悪くなかったぞ』
振り下ろされる拳。
無念とばかりに目を閉じる。
だが、くるべきはずの衝撃は何時までも訪れない。
もう痛みがくる前に命が尽きたのだろうか。
恐る恐る目を、開く。
そこには、男と自分の間に立ちはだかるように此方に背を向けて立つ姿。
『お前は・・・!?』
「俺を探していたのだろう?これ以上、息子を嬲られても堪らんのでな。出向いてきてやったぞ」
「おや、じ・・・?」
それは紛れもなく父の声、父の姿。
口から漏れた呟きに、父が顔だけ振り返る。
「気をつけて行って来いと言っただろう?・・・だが、よく持ち堪えた。もう大丈夫だ」
『そうか、お前が佐藤大輔か!探したぞ、“天虎鋼拳”の名を持つ者よ!』
「フン、貴様がどこでどうして俺を知ったのか知らんが・・・随分なマネをしてくれたものだ」
本来自分に当てるはずだった拳は、父の手が掴み遮っている。
だが、それを相手の男は引こうとしない。
いや、引けないでいる。父が離さない為に。
「この代償、高くつくぞッ!」
一瞬にして膨れ上がる殺気。
瞬間痛みすら忘れるほどに畏怖する、その殺意は相手の男すら――。
轟音。
相手の男が吹き飛び、塀を削り飛ばしながら道の向こう側へ倒れる。
「この程度で終わってくれるなよ・・・大事な息子をいたぶってくれた礼は、こんなものでは済まさんからなッ!」
そこには、初めて目にする本気の怒りを見せる父の姿があった。
―To Be continude
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